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トップページ熱流体事例分野別事例医学・医療・生体例頸動脈血管の3次元化画像と脈拍を伴った血流シミュレーションに関する研究

頸動脈血管の3次元化画像と脈拍を伴った血流シミュレーション

近年、脳卒中、心臓病、高脂血症、高血圧などの生活習慣病などが増加し、死因全体の60%を占めるようになった。
それらの、生活習慣病の原因の1つ、動脈硬化を観察するのに簡易な部分として頸動脈があげられる。
この頸動脈の検査方法に超音波エコーが用いられているが、血管の流れ方や計測方法などが影響し、
動脈硬化の原因でもあるプラーク発見が困難である。そのため、各個人の頸動脈形状や拍動状態、
プラークが存在する場合の血液の流れ(逆流現象)を解明することが必要となる。
これを血液流動シミュレーションで行うことにより、血液流動の特性を把握する。

【目的】
1.超音波エコー機器を用いて頸動脈の血管形状を測定し、
   拍動を伴った血流シミュレーションを行うため、
   血管3次元画像を作成する
2.取得した3次元画像を元に、血管の拍動を伴った血流
   シミュレーションを行い、血管内での血流挙動を解析する。

◎解析モデル作成

<血管の3次元画像作成>  

1. 2次元画像から3次元ソリッドモデル(STLファイル)を作成するプログラムを開発 ⇒”Vein

1. 外頸動脈と内頸動脈に分岐している部分から総頸動脈の
  測定可能な位置まで計測
2. 人間の脈拍は約60回/分 ⇒脈は1秒/回前後より一ヶ所
  につき各2秒間測定 ⇒1mm間隔でプローブを停止
3. 1段あたり2秒間の計測⇒画像出力30Hz
4. 1mmピッチで60段 ⇒計3600枚/6cmの静止画を取得

2. プログラム中心座標設定  

1.画像読込み
2.閾値を設定し2値化
3.中心を求めるために3点を選択
4.求めた中心から血管壁面までの距離(q1〜q8)を求める。
5.q2、q4、q6、q8を距離にするため√2を掛ける。
6.算出した数値をグラフ化して、グラフの半径角度ごとにx軸y軸に変換する
7.Matlabのroipoly関数を使い、q1〜q8の半径の平均をタイトルに付け、作図する
8.画像をRGB処理する

3.”Vein”での3次元化した計算モデル

各ポジションでの画像を縦に並べて、画像間を補完することにより3次元画像を形成する.
<血液条件>
ニュートン流体
密度ρ = 1.0×103 [kg/m3]
動粘性係数ν = 4.0×10-6 [m2/s]
流入部は、いずれも 層流、非定常流れ

◎解析結果

非定常流れにおける分岐頸動脈モデルの流動特性の結果から、逆流現象は分岐のない総頸動脈モデルの時と違い、分岐部分に伸びることがわかり、流入波形にもよるが、ESCT分類では、20%を超えたあたりから逆流現象が発生することがわかった。

 

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