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体育館の火災解析

次の記事では、体育館の火災解析、弊社コンサルタントチームの成果を説明します。

はじめに

建物を設計するとき、火災の安全性は特に重要です。流れ、温度、煙の滞留を予測する機能を備えたコンピューターシミュレーションは、火災安全工学において重要な役割を果たします。BRTechEngineering社に対するPHOENICSFLAIRの機能を説明するために、「典型的なケース」を表すモデルによってベンチマークテストされました。


ベンチマーク計算の概略

解析モデルは、体育館のバスケットボールコートを表し、傾斜した屋根と段になった座席エリアを備えています。寸法は、BRTechEngineering社によって提供された2DのCAD図面から取得しました。建物の片側の窓は、2.5 m/sの一定の微風で開いている窓を模擬するために流入口としてモデル化されました。反対側の窓は、微風が入らない開いた窓を模擬するための開口部としてモデル化しました。火災によって発生したガスが排出される開いた内扉を表すために、座席エリアの両端に2つの開口部をモデル化しました。

図1 体育館火災解析モデル図


火災は、1.5 MWの反応熱が時間の2乗に比例する関数で高速で成長し、座席エリア内の任意に選択できる場所に配置して計算しました。火災はt=0sで始まり、全てのシミュレーション時間間で発熱したモデル化を行います。火の成長、煙の滞留、および5分間にわたる部屋の温度の上昇をモデル化するために、非定常計算を行いました。解析変数は、圧力、速度ベクトル成分、温度、煙質量分率および乱流モデルの変数になります。シミュレーション時間は2秒間隔で150stepに分割しています。各間隔で30回の反復が実行されます。全シミュレーション時間を終えるのに計算時間は4時間かかりました。

計算結果

図2は、5分間後の着席エリアの床全体の温度コンターを示しています。人々が座っている場所のガス温度は、およそ45°Cを超えることはなく、実際、その場所以外のほとんどの部分で大幅に低くなっています。ただし、煙が発生する場所では、ガス温度は76°Cを超えます。床の温度に大きな変化はありません。

図2 温度分布図

図3は、火の上にある円周上に等間隔に配置されたポイントから発生する8つの流線を示しています。これらの流線は5分後の結果でにプロットされています。流れが火災の近傍で上昇して、対流により天井に沿って流れることがわかります。流線の一部は、開いている窓を介して計算領域からでていきます。これは、煙がこの窓から室内を出ていくことを表しています。



図3 火災発生個所からの流線図

図4は、5分後の光の吸収率(2.5mに設定)の等表面を示しています。光の吸収率は煙濃度の関数で表せるため、煙の滞留に直接関係しています。各タイムステップでこのパラメータを分析すると、煙の濃度が時間とともに増加することがわかります。これは、開いている窓とドアだけでは、火災の場合に十分な換気が得られないことを示しています。



図3 光の吸収率の等値面図

      
      

まとめ

CFD分析によると、着席エリアの温度は危険なレベルには達していませんが、部屋の換気を増すことで減らすことができる煙がかなり滞留していることがわかりました。換気の向上のために排出ファンの追加したものをPHOENICSで計算して、元のシミュレーションと比較したものもBRTechEngineering社に提供されました。


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