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◎流体解析の歴史的背景(2)

【第5回】流体解析の研究への道 − "Akshai K. Runchal"の回顧録 ー

1965年 Imperial College(現在はImperial College of Science、Technology and Medicine)で、Spaldingは(1958年に創設された)「熱伝達」の教授に任命されました。  彼はまた、後に「流体力学ユニット」に改名された「熱流体部門」も兼務しました。
コンピューターが登場して数十年、1960年代初めには広く普及していたコンピュータの出現が同時に、今日の「流体解析」と呼ばれるものを生み出しました。


私(Akshai K. Runchal)は、1964年にインドの大学のエンジニアリングの学部を卒業しました。 1965年、私はインドの「ICI奨学金」を獲得し、好きな英国大学の博士課程に進学できるチャンスに恵まれました。 私は、ICIや他の企業にとって大きな関心事である、「スプレー塗装の乾燥」に取り組むことにしました。   これは熱と物質移動の両方を含むテーマです。
当時Spaldingは、熱と物質移動における最も尊敬されている研究者の1人でした。  私は彼の学生になりたいと手紙を出しました。 『私はスプレー塗料の乾燥には関心がありませんが、
昨年同じく"ICI"の研究生のSuhas Patankar(スハス・パタンカー)には満足しています。 
私はあなたを私の学生として受け入れます。あなたがここに来てから何をすべきかを一緒に考えましょう』と、スポルディングが返信をしてくれました。
私は、一生懸命に働いている Patankarに感謝しなければならないと思いました。
また、ICI奨学金で博士号を取得した彼のICI奨学金に対する暖かい心遣いかも知れないと感じました。

私がロンドンに着くと、Spaldingは彼の "統一理論"で忙しかった。
それは、噴煙ダイナミクスにおけるテイラーの洞察に基づいた壮大なテーマでした。
エントレインメント仮説『Morton et al 1956』が、「上昇速度Uに比例して周囲の流体を取り込む」 乱流ジェット・プルームの自己相似性に基づいていることに注目し、
その時の彼のアプローチは、部分的なプロフィールを提案したこと以外は、プロフィール方法を使用することで、与えられた正確さに近似できる - 理想的なプロファイル- によって、 流れをシミュレーションできるかもしれない、と 彼はそれに向かって研究していた。 そして彼はパタンカーを含む一連の研究生とかなりの成果をあげていた。

◎『Convective Mass Transfer』と『統一理論』

Spaldingは、その著書『Convective Mass Transfer』で熱伝達と物質移動の統一を捜し求めています。 彼はまた、熱と物質移動(蒸発、溶融蒸発、燃焼を含む)を単一の枠組みの中で同時に考えていました。
さらに同じ時期に、彼はロシアのKutateladzeとLeontevによる本に魅了され、それを翻訳もしました。
翻訳の序文で、彼は次のように書いています。

『これまでの教科書の著者は、高マッハ数、大きな圧力勾配において物質移動があるような条件下における抗力および熱伝達のために使える計算法を持たなかった...本書は後の研究者にとって刺激と挑戦の両方となる包括性の基準を示している。』

彼自身がこの挑戦を受け入れ、圧力勾配と物質移動の存在下で、乱流せん断層(境界層、噴流の後流、壁面噴流、ダクトフローを含む)のための単一の計算方法の作成に着手したようです。これが後に「統一理論」として知られるものになりました。 流れ、熱、質量輸送の統一は、彼の経歴の中で研究の主流テーマであり、流体解析(CFD)コミュニティに大きな影響を与えました。  さらに、与えられた流れに合わせて「理想的な」プロファイルを見つけなければならないという過酷な要求からあなたを解放します。 しかし、このアプローチは時折偽の又は異常な解を生成することがすぐに判明し、「統一理論」のための彼の探求はまだ続くことになります。

【第6回】『CHAM 』設立

そんな中、学術専門誌『Academic Press』は、Spaldingのグループが行った研究開発の出版にとても関心を示しました。  Spaldingは、実験研究での学位論文をまとめたばかりのDavid GosmanとSam Punおよび私とMichaのコンピュータ・コードを引き継ぐよう依頼しました。 そのコードは『ANSWER』と呼ばれ、後に『Academic Press』から出版されたDavid Gosman(ディビット・ゴスマン)の著書『CFD(Gosman et al.[1969])』で著されて、有名な著書となりました。

その後、1969年にImperial Collegeで開発されたNavier Stokes方程式と一般化された輸送方程式を一緒に解く、この『ANSWER』は、David Gosmanの『CFD(Gosman et al.[1969])』の出版がきっかけとなり広く利用されるようになりました。 さらにImperial Collegeで学術界および産業界を対象とした、 ポスト・エクスペリエンス・コース(Post-Experience Course)を開きました。  このポスト・エクスペリエンス・コースは、 米国とヨーロッパのさまざまな大学で一連のコースやセミナーを通じて、多くの研究者を引き寄せました。 CFDを主題にした最初の会議は、1968年にモントレーで開催されたことも注目すべき事でした。

そして、同じ年にSpaldingは、流体解析をビジネスサービスとして行うことを起草して、『CHAM Ltd.』を設立しました。 社名の由来は『Combustion Heat and Mass Transfer』の意味からでした。 

 
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