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■CutCell (PHOENICS Parsol 機能)

Cut-cell(PARSOL) 「構造格子の複雑形状表現 (PARtial SOLid method)」

1. はじめに

PHOENICSコードの大きな特徴である構造格子を使用した場合の複雑形状表現についてまとめた。 構造格子は、1960年代CFD誕生以来差分法の基礎となる格子生成法で、PHOENICSコードが採用している構造格子では右図のような格子座標系が用いられる。

Structured Grid series
 

(a)Cartesian

(b)BFC

 

Fig1. Structured Grid series

直交格子における形状表現ではポロシティーと呼ばれる流体占有率を与え、物体形状を階段状近似で表して計算を行ってきた。しかし近年のコンピュータの発達、シミュレーションへの要求の高度化から、より高精度の計算結果が望まれるようになった。PHOENICSコードではPARSOL(partial solid) 法を使用して構造格子を斜めに横切る固体面を表現することで過去のプログラム資産を生かした高精度化を行っている。以下にサンプルとして“ルーバーをすり抜ける流れ”の速度と圧力の分布を示す。

Cutcell example (louvers)

Fig2. Cutcell example (louvers)

2. PARSOLによる検証計算事例

2.1 空力問題 
流れ中の物体において形状の急な変化による境界層剥離は、圧力分布の急変を伴い物体に抵抗力として働く。この抵抗係数はCd値として知られている。PARSOL法の計算事例として、Re=104の一様乱流中の角柱回りの流れ場を見る。乱流モデルはChen-Kimによるk-ε乱流モデルを使用した。角柱の迎え角を変えた場合のCd値の変化をFig3に示す。これらの値は文献値2)の範囲に納まっており、傾向が十分捕らえられていることが確認できる。

  (a) Flow distribution around the Block
Fig4 (a) Flow distribution around the Block
(b) Drag coefficient of square block with attack angle

Fig4 (b) Drag coefficient of square block with attack angle

 

2.2 超音速衝撃波問題
流れに気体の物性変化が顕著に表れる例として衝撃波問題がある。特に物体周りの衝撃波は形状による圧力変化を正確に捉える必要がある。ダイヤモンド翼に対する超音速衝撃波計算を行った。上面は反射波を表すため壁とした。結果Liepmann,Roshco 3)らの衝撃波−膨張波の状況をPARSOL法で捕らえられることを確認できた。

  (a) Pressure

(a) Pressure

(b) Mach Number

(b) Mach Number

 

Fig5 Supersonic flow over diamond shape body

2.3 自然対流熱伝達問題 
加熱した水平円柱の熱伝達率をPARSOL法を用いた自然対流計算から求める。ここで円柱温度を変更しRa数に応じたNu数を求め文献値と比較する。結果の一例として周囲流体を20℃水とし、アルミニウム円柱60℃としたときの温度分布をFig6(a)に示す。またアルミニウム円柱の温度を変更したときのRa数とNu数の関係をFig6(b)に示す。計算結果で得られたNu数は、文献値4)と定量的に良い一致を示している。

  (a) Natural convection of heating cylinder

Fig6 (a) Natural convection of heating cylinder

(b) Heat transfer of natural convection

Fig6 (b) Heat transfer of natural convection

4. おわりに  

PHOENICSコードが形状表現に使用するPARSOL法の紹介とともに気流計算、衝撃波計算、自然対流熱伝達計算の検証計算事例を挙げた。計算結果では各現象の傾向を捕らえていることを確認できた。CHAM社は、自由表面における表面張力や粒子軌道計算における反射の問題など個別の物理問題へもPARSOL法の機能拡張を進めている。

文献
(1) Takeuchi, Y., Ultraprecision Micromilling Technology (Review) , Transactions of the Japan Society of Mechanical Engineers, Series C, Vol. 71, No.701 (2005), pp. 1-4.
(2) 流体力学ハンドブック第2版P443(日本流体力学会)
(3) Liepmann, Roshko (1957), Elements of Gasdynamics , p10,John Wiley&sons
(4) 伝熱工学資料第4版p71(日本機械学会)

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